私のラストラン

今西康人

 

先日の東京マラソン2007大会で、バルセロナ、アトランタの両オリンピックでのメダリスト、有森裕子さんのラストランが多くの人々の関心を呼んだ。

彼女については、バルセロナで2位になった時、流行語大賞にもなったあの有名な「初めて自分で自分を褒めたい」という言葉が記憶に新しいと思う。

その時は、何を気恥ずかしいことを平然と言っているのだという感じがしていたが、その後、彼女は地雷で被害にあったカンボジアの人の支援活動をはじめ、国連人口基金親善大使を務めるなど、すばらしい活動を展開している。

「世の中にたった一人しかいない自分の生き方にこだわること」、「二度とやってこない一瞬一瞬を精一杯生きること」を信条としていると、彼女のホームページに書かれている。私も、彼女の生き方を見習って、少しは努力をしてみたいと思うが、はてさてどうなることやら。

昨年、一足早く退職した私の先輩は、定年と言う区切りの来るのをとても楽しみに待ちながら、あれもしたい、これもしたいと夢を語っていた。

私も、あと1年で43年の勤め人人生を終える。そしてこの4月からが私にとってのラストランになる。マラソンはコースが設定され、その先にはゴールが待っているが、これからの人生は、それまでの過ごし方が一人ひとり違ったように、定められたコースはなく、自分でコースを設けるといっても、その選択肢は、私の年齢、体力、知力、そして金力から考えると、それほど多くはない。

さしあたって、私のやってみたいことを挙げてみると、まず百名山の完登、海釣り、燻製つくり、ダッジオーブン料理などだが、どれ一つとっても、これというものがなく、強いて言えば、オーストラリア・パースでのホワイティーという60センチほどの巨大白キス狙いと、長年続けてきた登山くらいのものだろうか。

登山といえば、先日、好天の中、大江山で久しぶりに雪山を堪能して来た。

暖冬で雪など想定もしていなかったが、山頂には先日の寒波で積もった雪が35センチほどもあり、やはり降るところでは、結構降っているものだと実感した。

私の山のスタイルは、一昔前は、「一日一山、一湯、一宴」をモットーにテントでの寝起き、2、3年まえからは「二日一山、温泉・二食付きの半旅館派」に、そして最近は、「三日に一山、温泉・旅館派」と柔になってきている。ラストラン以降の私の山行きのスタイルはどう変わっていくのか。ひょっとすると山どころでないかもしれない。

しかし元気でいられれば自分のやってみたいことを一つ一つ実現していきたいと思っている。